唄が続いていたとき
あの時、あなたと私は好きあっていたのではないかと信じています。一つの唄が始まってから終わるくらいの本当にとても短い間でしたけどね。
今年であの書簡のやりとりから、7年も経ちます。あなたはもうご結婚なさってますし、私には私をとても大切にしてくれている恋人がいます。彼との間はとても上手くいっています。私も彼のことがとても好きで、将来を考えています。
それでも、私は、あなたと彼とのような関係を築けていればどんなによかっただろうと思えてなりません。あなたと交わした書簡や言葉を今でも一言一句覚えています。あなたのお顔はもうぼんやりとしか覚えていないのに不思議です。
初めてお会いしたときに着ていた黒いフリルのついたミニドレスはとても気に入っていたのですが、もう年齢的に着ることができません。それでも、どうしても捨てられずにタンスの中にとってあります。
あなたの記憶が、時折溢れてきて、目頭があつくなります。あなたが私のことを知ることは、これから先ずっとないだろうと思うと。
あなたにとっての私は、一時期興味を引いただけの路傍の花のような存在だったのかもしれません。でも、私は、あなたのことをこれから先もずっと忘れられないし、ジュリエット・グレコの唄にある
Ne vous déplaise
En dansant la Javanaise
Nous nous aimions
Le temps d'une chanson
というフレーズに胸がつまるような想いをし続けると思います。
でも、それではあまりに辛いので、自分に区切りをつけるため、あなたとやりとりした書簡をここで公開したいと思います。
あなたは、私と書簡のやりとりをしたこと自体お忘れでしょうし、個人特定できるような内容は一切出すつもりはないので、私の自己満足をお赦し頂いてもよろしいかと思います。
当ブログの趣旨は以上でございます。皆様よろしくお願いいたします。